-roop-

ドクッ

鏡に映った姿に心臓が鈍い音を立てる。


疲れた顔で目を見開いていたのは、私が霧の世界で見た女性の姿。




「…分かってるよ…」


言い聞かせるように青ざめた頬に手をあてる。



誠さんの視線が、誠さんの言葉が向けられているのは…


この身体の…本当の持ち主…。



私はやりどころのない想いを流すように、その顔に水かけた。