-roop-


「…よし!!今日は日曜だし…どっか行くか!」


「え…」


煙草の火が消えた瞬間、誠さんの顔が少年に戻った。


「どこ行きたい?なんかテンション上がるとこがいいよな~」


ベランダの手摺りに頬杖を付きながら楽しそうに話す誠さんを見て、少し嬉しくなった。



「私は…どこでもいいよ?」


「そか?…んじゃ…よし行こう!」


思い立ったように大股でリビングに戻っていく誠さんの後を慌てて追う。


「い…行くってどこに??」

「い~からい~から!ほら、千夏も早く用意してっ」



誠さんは慌てる私をよそに、財布と携帯を無造作にジーンズの後ろポケットに突っ込んだ。


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