-roop-

バンッ

コンクリートが熱を溜め込む駐車場に、車の扉を閉める音が響く。

「うぁ~!あっちぃなー!」

車を降りると、太陽が容赦なく攻撃して来る。

太陽の光が照り付ける部分が、暑いというより痛かった。


「千夏!ほら、行くぞ」

「う、うん」

歩みを進める誠さんの少し後ろに駆け寄る。

大きな背中に守られているような気がして、つい胸が熱くなった。


私は必死にさっきのサイドミラーの顔を思い出す。

自分が今、あの人になっていることを思い出す。


彼が見ているのは、私じゃなくてあの人だということを…言い聞かせる…
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