-roop-
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小さな日蔭を作るビル沿いを数分歩くと、急に大きな道に出た。

日曜ということもあってか、たくさんの若い人たちで込み合っている。

見上げるほどにそびえ立つたくさんのビル。

こんなにも青くと澄んだ空が、ビルの隙間で窮屈そうだった。





誠さんはある建物の中に入って行く。

その建物のドアからは、若い女の子たちやカップルが笑いながら出入りしていた。


「誠さん!元気が出るとこって…」


「そ!ゲーセン!」


街の中心地にある大きなゲームセンター。

外とは別世界のように冷房で冷え切った施設内に、様々なゲームの音が飛び交っていた。


「あ…うるさいとこ…嫌?」


「う、ううん!平気!」

私が笑顔を向けると、誠さんはまた安堵の笑みを浮かべた。




……本当の千夏さんは…どうだったの…?





零れかけた言葉を、静かに飲み込む。


何をするにも探り探りで、まるで腫れ物に触るように気遣う誠さん…。

元気が出るところ…。

それは誠さんが自分自身を励ますという意味だったのかもしれない。
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