-roop-

「千夏!ほら!どれがいい?」

呼ばれて向かった先はUFOキャッチャーだった。

ガラスの中を覗き込めば、色んなスポーツをする動物のぬいぐるみが積み重ねてある。



どれがいい…か…。


千夏さんなら何て答えるんだろう…?

何て答えれば誠さんは喜んでくれるんだろう…?

何て答えれば…

……正解なんだろう…。


つい言葉が詰まってしまった。



「………千夏は。どれが欲しいの?」


微かに強調された『千夏は』という言葉。


『今の君は』どれが欲しいの……?

今の千夏は…私は…


「あ…あのテニスしてるうさぎがいい…」


「…あのたぬきの右にいるやつ?よっしゃ!任せとけ!」


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