地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐
呆れ返れるような……
蔑むような…………
そんな表情だと思っていた。
しかし………
あたしを見る目は
どちらでもなく………
優しく微笑んでくれていたんだ。
「…もう気にしなくて良いから」
ニコリと微笑み、あたしの頭を撫でる。
「……っ……嫌じゃないの……?
こんな……汚れた子……なんて」
「どこが汚れてんの?
………杏は、汚れてないから」
「……本当に……そう思ってる…?」
「当たり前だろ?
それに、俺が消毒すれば問題ないし…な?」
「…………消毒?」
「…退院したら……たっぷりしてやるから」
そう言って笑う陸。