地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐


優しく微笑むので


安心して近づいた。





陸まであとちょっとって時……




手を引っ張られた。



「えっ…ひゃ……!?」



バランスを崩し、陸の腕の中に倒れ込む。




「ちょっ………陸?」


抱き留められたあたしは

腕の中から顔を上げる。





そこには、優しい笑みを浮かべる陸



あたしが大好きな表情だ…


抱き留められた体をくっつけ

胸に顔を埋めて

腕を陸の背中に回した。




「………杏?」




何も言わないあたしの頭を撫でる。



温かくて優しい手があたしの髪を梳いていく。




「杏ってさ……猫とチワワを足して二で割った感じだよな。」



突然陸が言った。
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