地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐
杏樹の顔を眺める。
「……やっと。
全て俺だけのものだよな?」
返事はなく、眠り続ける杏樹。
ずっと欲しかった。
出会った日から。
俺のことを何一つ知らずに話し掛けて来た初めての女の子。
話してみれば…
天然で自分の容姿に無自覚で…
強気で俺に牙を剥く
だが…寂しがり屋で泣き虫で甘え方を知らない。
幼い頃から、仕事で
常に強く…弱音を吐かず…
松沢を守ることだけやってきた。
無垢で何も知らない…
真っ白な女の子
そんな杏樹を見ていると
めちゃくちゃにしてやりたくなる。
「…俺以外、よそ見すんじゃねぇよ?」
というかさせない。
これから、多分…
ハンパなく男達に言い寄られると思う。