地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐
答えたあたしに満足そうに笑う。
「…神崎杏樹ちゃんだね?
杏樹って呼んでも良い?」
「???……どうぞ?」
許可すると…頭を撫でられた。
何この人…???
なんであたし何かの名前を聞くんだ…??
状況について行けずに、首を傾けた。
「「「「及川遥斗が女の子を口説いてる!」」」」
スタッフさん達が、騒いでいたのだがあたしの耳には届かなかった。
「杏樹…………芸能人にまで見初められたね。」
柚莉は、一人頷いていた。
「あの…左手大丈夫ですか?」
あたしは及川さんの手を指差す。
「あぁ…大丈夫だよ。
杏樹が手当してくれたお陰で、
本当に30分で治ったよ。」
ニコニコしながら、あたしの頭を撫でる。
よかったぁ…モデルさんなら、訴訟起こされるかも…
って心配したんだ…。