地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐


陸の周りには、スタッフさん達が取り囲む。



「…大丈夫!?」

「………っ…大丈夫です。」



囲まれた中から陸の声がした。


「…!!」


はっとなって


及川さんの腕を振り切り、陸の元へ向かう。



「杏樹っ!?」


後ろから及川さんの声がしたけど、

陸のことしか頭になかった。





「滝本君…!」


スタッフさん達の中に割って入る。






地面に座り込み、腕を押さえている陸がいた。





怪我の具合を見る。




「…大丈夫。
これくらいなら治せる……。」



傷は、深いけど…術で治せない程酷くはなかった。




でも、こんなところじゃ…術なんて使えない。



二人きりになんないと…。




「……滝本君、保健室に行こう?」
< 214 / 698 >

この作品をシェア

pagetop