地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐
陸の周りには、スタッフさん達が取り囲む。
「…大丈夫!?」
「………っ…大丈夫です。」
囲まれた中から陸の声がした。
「…!!」
はっとなって
及川さんの腕を振り切り、陸の元へ向かう。
「杏樹っ!?」
後ろから及川さんの声がしたけど、
陸のことしか頭になかった。
「滝本君…!」
スタッフさん達の中に割って入る。
地面に座り込み、腕を押さえている陸がいた。
怪我の具合を見る。
「…大丈夫。
これくらいなら治せる……。」
傷は、深いけど…術で治せない程酷くはなかった。
でも、こんなところじゃ…術なんて使えない。
二人きりになんないと…。
「……滝本君、保健室に行こう?」