地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐
「…“手当”するから。」
ニコッと微笑み、陸を立たせる。
「神崎さん…お願い出来る?」
スタッフさん達が、心配そうにあたし達を見た。
「…はい。大丈夫です。
治して来ますから……。
今日の取材は、終わりで良いですよね?」
有無を言わせないように、満面の笑みを作った。
「そ、そうだね…。」
取材陣に納得してもらい、
陸の代わりに、お礼を言って
保健室へ向かう。
もちろん陸も一緒に…。
「治すって……どういうこと?」
及川さんが、あたしを見ながら呟いたのには、気づかなかった。
『ターゲットきーめた♪』
フフフと妖艶に笑う。
『良いカラダしてるし…“力”もあるなんて…最高ね♪』
『必ず…手に入れる。』
取材陣の中で、目を光らせていた奴がいたことを
まだあたしは気づかなかった。