地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐
陸の手を引き、保健室に入る。
消毒液のニオイが鼻を刺激した。
「ソファーに座って?」
陸を座らせて、救急箱とタオルを取りに行く。
持ってきた救急箱をテーブルの上に置いた。
「杏……?」
「…っ………!」
怪我してない右手であたしを引っ張り、ソファーに座らせた。
「…どうした?」
陸が優しい声で尋ねる。
タオルを握り締めた。
泣くのは……まだ早い。
手当しなきゃ…。
「ブレザー自分で脱げる?」
「………ムリかも。」
陸の返事を聞いてあたしは近寄り
陸の制服を脱がせる。
怪我を負ったのは、左の二の腕辺り。
制服を脱がなきゃ、手当が出来ない。