地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐



ブレザーのボタンを外し、傷に負担がかからないように脱がせる。



カーデも同様に………。



上半身は、シャツとネクタイだけになった。



「…これでもまだ出来ないね。」



仕方なくネクタイを解き、
陸のシャツ左側だけ脱がせた。



シャツの二の腕辺りは、赤い血で染まっている。



「……っっ………!」


唇を噛み締めて、血を水で濡らしたタオルで拭う。



「!……っ」


痛いのか、陸が顔をしかめた。


「…ごめんね?……もう少し我慢して。」



傷口を塞ぎ、出血を止める。


消毒液をかけた時、陸があたしの肩に頭をつけた。



痛いんだよね………。


あたしも経験したことあるから、消毒液がしみる痛みはわかる。



だけど…あとちょっとだから…。
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