地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐
「…わかったなら良い。」
頭を撫でられた。
手を髪に絡められ…遊ばれる。
及川さんと同じことをされてるのに…
陸だと安心する。
「怪我したのは、俺の不注意。
だから杏が自分を責める必要はない。
治してくれただけで充分だから。」
「ふぇっ………う――……」
優しい陸の声と手に、また泣いてしまう。
「う―……陸……大好き…っ…」
首に手をまわして、抱き着いた。
「…っ……好きっ……大好きっ…」
陸の耳元で繰り返した。
この人以外……あたしが甘えれる人なんていないんだ…。
やっと見つけた存在…。
絶対に手放したくない。
どんなことがあっても………