地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐


「杏ちゃん……ちょっとこうして?」


「へ…?」



陸に腰を持ち上げられて

足の上を跨ぐように座らせられる。

陸と向き合いながら……




「えっ…?……陸?」

「この方が、抱きしめやすいんだよ。」



ぐっと腰を陸の方に、引き寄せられた。



「は…恥ずかしいっ…!」


陸の肩を押して、離れようとするが……


「ダメ♪」


笑顔で却下された。





「…杏ちゃん?」

「ん…?なあに?」



「腕痛いんだけど……治して?」


……………ウソでしょ。

さっき“痛みはなくなった”って言ったじゃん!



「陸………ウソはやめよっか?」


ニッコリ微笑み、釘を刺す。
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