地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐
藍鬼にも会える♪
なんて考えていたのに
あたしは登校初日から、嵐に巻き込まれる。
教室に入ると……
「杏樹ちゃーん♪」
「へっ…!?」
上田君が駆け寄って来て、抱きしめられた。
「「「キャーー!!!」」」
クラス中の女子が、悲鳴を上げた。
あたしが一番悲鳴を上げたいっ!
「な、ななんで抱きしめてるの!?」
「だって杏樹ちゃん、学校にずっと来てなかったから、嬉しくて!」
あ、杏樹ちゃん?
名前で呼んでない??
前から呼ばれてたっけ?
(↑今日が初めてです)
「あの……離れて下さい。」
「えぇ!?もうちょっとダメ?」
小首を傾げる上田君。
イケメンがこんなことしたら、女の子は倒れそうだけど……