地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐


悶々と考える。




すると、甘い香に包まれた。




「………陸?」


後ろから抱きしめられる。


肩と腰に手を回された。



ギューっと苦しいくらいに陸の方へ抱き寄せられる。


顔をあたしの髪に埋めて、動かない。




「…どうかしたの?」



「…ほっとした。


芸能人に口説かれて離れて行くかもって思ったから…」



陸の息が、あたしのうなじ辺りにかかってくすぐったい。



ぴくっと身じろぐ。



「…あたし、及川さんに口説かれたの?」


初めて知った……!


「…やっぱ、気付いてなかったんだな。

あんだけアピールされまくりなのに…?」



アピール……?
全然わからなかった…




「…番号とメアドとか、尚更じゃねぇーか。」



そう言うと、さらに顔を埋めてくる陸…。
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