地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐
拗ねてんのかな?
いや…違う…
不機嫌…という訳でもなさそう…
「…………陸?」
名前を呼んでみる。
「ん…?どうした杏…?」
無言のまま…陸の手に、自分の手を重ねる。
「……この名刺…どうしよう?」
ズルッと陸の足が滑ったような気がした。
「……ん。杏はこういう子だ。」
一人でうんうんと頷く陸。
こういう子…?
わかんない……
あたし国語力弱いのかなぁ…?
「…滅多に貰えないもんだし、持っておけば?
杏だって、ちょっとは嬉しいだろ?」
後ろから、顔を覗き込まれた。
「……別に嬉しくない。」
「なんで……?」
「…芸能人とか、興味ないし。」
俯いたまま答える。