地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐
「…コオロギ欲しいんだろ?」
耳元で囁いてやった。
「…いらないもんっ!!」
パチッと勢い良く目を開ける。
「・・・・・・・・。」
目の前にいる俺を見て…
固まる杏樹。
ボールを床に置き、俺の顔に微笑みながら手を伸ばす。
「…どうした杏?
っ………いって……!?」
優しい声で聞いてやったのに、
思いっきり頬を引っ張られた。
「え゛っ……現実!?
夢じゃないの…!?」
コイツ…俺で確かめたのかよ
「・・・・・・・・。」
起こしてやったのに…この仕打ち
杏のくせに…ムカつく。
しかし…………
俺の彼女さんは
フツーじゃないんで………。
ズレてるんだ…ちょっと人より…