地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐
「杏…?
欲しいものとかある?」
あたしにだけは、優しい本当の笑顔を向けてくれる。
それが、堪らなく嬉しい♪
あたししか知らない陸の顔だしね!
「ううん……いらないよ?」
ニッコリと満面の笑みで答えた。
「おいで?」
ベッドに腰掛け
両手を広げる。
「…うん」
素直に陸の腕の中に収まる。
これが、二人の時間の始まりの合図
陸があたしを後ろから抱きしめた。
陸の腕が、あたしのお腹にまわる。
「はぁ―…疲れた…」
肩に頭を乗せて呟く。
同時に力が入る腕。
「毎日毎日……大変だよね?」
笑いながら、陸の方に体重をかける。
「…誰か代わってくれ」
よほど疲れたのか、ため息まじりに言った。