地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐
――杏樹Side――
固まっていた頭がようやく動き出す。
「上田君って……帰国子女?」
「えっ………」
目の前にいる彼を見上げた。
「帰国子女なら、キスは挨拶として当たり前だよね!なんだぁ〜言ってくれれば良かったのに!」
手の平に、拳を打ち付けて笑った。
「「「・・・・・・・。」」」
(恐るべし…天然…。)
話しを聞いていた人達は、皆そう思った。
ガクリと肩を落として、自分の席に戻る上田。
男子達が“ドンマイ”と肩を叩く。
もちろん…そんなことがあっているとは知らず
「なんで髪の毛がクルクルになってるんだろう?」
と、考えていた杏樹であった。