地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐


「ぽっぺだよ?
上田君ね、帰国子女らしくて、挨拶でされただけ。」


小さく笑って説明する。



「上田は帰国子女じゃねぇよ。」

「へっ?そうなの!?」


陸からのカミングアウトにキョトンとなった。




「じゃあ…なんでキスされたんだろう?」


理由がわからないまま、帰り仕度をする。



荷物をまとめ終わる頃…


「杏。」

「ん〜?なあに〜………えっ?」



手を引かれ、陸の方を向かせられた。


両手で頬を挟まれ、見つめられる。



トクン…トクン…

甘い鼓動が溢れてきた。



「上田がキスした理由わかってる…?」

「…………全然?」


顔を横に振る。



「杏のことが好きだからだろう…?」

「はい…?それはないよ!こんな地味な子を(笑)」

陸の考えが可笑しくて、クスクスと笑って否定した。
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