地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐


つらつらと考えていたら、悠がクラスの奴に呼ばれた。



必然と松沢と二人になる。




そう言えば……気になってたことが…



「…なぁ、杏を怖いと思ったことある?」



「えっ?…杏樹?全然♪」


即答された。


「…だよな」


前に、『あたしのこと怖くないの?』と聞かれたのを覚えていた。


俺は全く怖くない。


他の奴がどう思ってんのかと気になった。



「…でも、本気で“力”を使ったら…かなり怖いよ。」


「どういうこと…?」



俺が尋ねると、微かに松沢が笑った。


「…7歳の時かな?
私、野良犬に噛まれたの。」


「へぇ…」


「その場には、私と杏樹しかいなくて…泣き出した私を見て、杏樹がキレたの…」


「杏でもキレるんだ…」


あの天然鈍感無自覚娘が。
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