地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐
「足りないなら………」
押さえていた手を掴み、もう一度叩かれた。
最初より遥かに強く。
「………っ………」
「マリナ最高〜♪」
ニヤニヤあたしを見る。
もう良い…………
約束破るけど……我慢出来ない。
じいちゃんから説教を食らおうが、どうでも良い。
気が済んだのか、あたしから離れて控室へと帰って行くマリナとモデル達。
その姿を眺めて小さく呪文を呟く。
「ゆらべゆらべゆらゆらと。
我の怒り…天に近く海より深し…
願わくは……我の頼みを力に変え彼女等に天罰を」
呪歌を繰り返し唱える。
それからの数日…彼女達は原因不明の高熱に悩まされることとなった。