地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐
しかし。
男子達の大半が欲しいのは、
柚莉と杏樹が作ったお菓子。
柚莉はひとつしか作っておらず、もらうことが出来ない。
一方…杏樹は………
大量のマドレーヌがあり、数えてみると…男子達の人数と一致した。
期待に胸を膨らませる男子達全員。
“姫:杏樹の手作りお菓子が食べられる!“
と考えて、今か今かと待つ。
だが、一向にくれる気配はない。
気になった男子達は、杏樹に聞くことにした。
「杏樹ちゃん…このお菓子食べても良い?」
キス事件から、近寄るのを避けていた上田が尋ねる。
「一個ちょうだい…?」
優しい杏樹なら、くれるだろうと思ってお菓子に手を伸ばした。
「ダメ………」