地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐
「あっ!杏ちゃん!!」
藍鬼がタタタッと駆けて来て抱き着いた。
「久しぶり、藍鬼♪」
ぎゅーっと抱きしめる。
藍色の目と柔らかいふわふわした髪。頭のてっぺんには、小さな角。
学園に住む妖怪。
「杏ちゃん、甘い匂いがする〜」
「調理実習でお菓子作ってたからね。」
「いいなぁ〜僕もお菓子食べたいっ!」
「藍鬼に作ったからあるよ?食べる?」
「うんっ♪」
ニコッと笑った藍鬼に、ラッピングしたマドレーヌを渡す。
「すごぉ〜い!食べていい?」
「どうぞ♪召し上がれ」
キラキラとした目でラッピングを開ける。
チョコマーブルのマドレーヌを一口食べた。
「杏ちゃんっ…美味しい!」
「良かった…!」