地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐
作ったものを食べてもらえるって、幸せなことだよね。
美味しそうに食べてくれる藍鬼を見て、『作って良かった』と思った。
あたしの膝の上でお菓子を食べている藍鬼。
前の方から、視線を感じた。
「……藍鬼ばっかり……」
ブツブツと何かを呟いている人が一人…
「何してるの…?」
「……藍鬼に杏を取られた」
「……全く意味がわかんないんだけど……陸?」
雑鬼のたまり場にいたのは、陸。
さっきまで、藍鬼と遊んでたみたい………
「…杏ちゃん。もちろん俺の分もあるよね?」
立ち上がり、あたしの隣に腰を下ろした。
陸が指差しているのは、大量のマドレーヌ……
「えっ?…陸には作ってないよ?…マドレーヌ…」