地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐



ピクリと陸のこめかみが動く。




「杏ちゃん…陸君にもあげて良いよ?」


袋の中から、ひとつ取り出す。



「…優しいね〜藍鬼♪

良いよ、全部食べて?
藍鬼のために作ったんだから♪」


ふわふわの髪を撫でてやる。



「だって…陸君は?」

「…甘いマドレーヌを陸が食べれるはずがないし、藍鬼が食べちゃって?」



微笑むと、ようやく納得したのか…また食べ始めた。





「…次は何がいい?」


「えっとね…シュークリーム!」


「わかった。作ったら持って来るね?」



頭を撫でると嬉しそうに笑った。



癒しだわ!疲れも吹っ飛ぶ!!



藍鬼を眺めていると…



「杏ちゃん…ちょっとおいで」

「はっ!?」



いきなり腕を引っ張られた。
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