地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐




食べ終わり、ふと陸が聞く。


「杏は食ったのか?」

「ううん。お腹空いてないから食べてないよ」



少し微笑むと…陸が手招きする。



「何…?………ちょっ!?」


近付くと腰を持ち上げられて、陸の胡座をかいた中に座らせられた。




「…何かあった……?」


後ろから腕が回って来て、抱きしめられる。



「………何もないよ…」


「嘘つけ……顔に“キツイ”って書いてあるけど?」

「・・・・・・・。」



黙り込む。



「何かあったのか?」



優しく耳元に語りかけてくる。



抱きしめられたまま…陸が体を揺らす。




まるで子供をあやすように……
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