地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐



「杏は何も心配しなくて良い。…2日間くらい遊んどけ」

「でも…咲さんに言わなきゃ…」

「咲姉には、俺から言うから」




あたしの髪に沿って頭を撫でていく。




「…良く今まで、頑張って来たな?…偉いよ」


「………っ……ふぇっ……」



張り詰めていた糸が切れたのか…涙が溢れた。



陸の胸に顔を埋めて泣く。




苦しいくらいに抱きしめられた。



陸の甘い香水の匂いが強くなる。

でもそれが、隣に陸がいるってことを実感させて…安心した。





さらに抱き着く。





「……杏……」


ぐいっと顎を上に上げられる。


「陸……?…………ん」



顔を見た瞬間に重なる唇―…
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