地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐
撮影が始まって…1時間くらい経った頃……
「すみません。モデルの咲いますか?」
スタジオの入口で聞き慣れた声がした。
「「「「あっ!!!」」」」
スタッフ、モデル達全員が異口同音
「ごめんごめん!届けてくれてありがとっ!」
咲さんが近寄り、荷物を受け取る。
「…忘れ物多すぎ。」
ポツリと言った人に、咲さんが耳打ちする。
わずかに眉が上がった。
咲さんが離れると、小さく手招きされる。
「あたし………?」
自分を指差すと頷かれた。
さっさとスタジオを出て行く人…
周りに見て確認しながら、慌ててスタジオを抜け出す。
「…あれ?………見失うなっちゃった?」