地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐



撮影が始まって…1時間くらい経った頃……




「すみません。モデルの咲いますか?」


スタジオの入口で聞き慣れた声がした。



「「「「あっ!!!」」」」


スタッフ、モデル達全員が異口同音




「ごめんごめん!届けてくれてありがとっ!」



咲さんが近寄り、荷物を受け取る。



「…忘れ物多すぎ。」


ポツリと言った人に、咲さんが耳打ちする。



わずかに眉が上がった。



咲さんが離れると、小さく手招きされる。


「あたし………?」


自分を指差すと頷かれた。



さっさとスタジオを出て行く人…



周りに見て確認しながら、慌ててスタジオを抜け出す。




「…あれ?………見失うなっちゃった?」
< 423 / 698 >

この作品をシェア

pagetop