地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐
追いかけて来たはずなのになぁ…
どこですかね??
キョロキョロと探す。
見つからないのでもう少し先に行こうと歩き出した瞬間…
「えっ…?」
手を引っ張られて、甘い香りに包まれた。
顔は見なくても、誰かはわかる。
そのまま見つかりにくい死角の場所へ移動した。
ぎゅーっと背中に手をまわす。
胸に顔を埋めて、ゴロゴロと喉を鳴らした。
「やっぱり…陸が1番落ち着く」
さらに抱き着きながら呟く。
「…俺以外だと困るんだけど」
クスッと笑い、あたしの頭を撫でる。
「陸以外にこんなことしないよ…」
「……杏がしなくても、相手からされることはあるよな」