地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐


鏡越しに及川遥斗を見る。

整った顔立ちにスタイル抜群。

“モデル界の王子様”と言われるだけはある。



そんな奴に迫られたら…

いやいや杏が…心変わりするわけがないはず。




俺だって…本当に欲しくて、やっと手に入れた女。


病院で“好き”って言われた時、どんなに嬉しかったか…。

もう…絶対に手に入らないと思ってた。



『陸なんて……大っ…嫌い!』


その言葉を言われた時、どんなに悲しく苦しんだか…




杏を抱く度に、

今、腕の中にいるのは奇跡だと思う。



戦いから瀕死の状態になり、生死をさ迷って還って来た。


医者から『あと5分遅かったら死んでた』と告げられた時、


手が震えた。
< 432 / 698 >

この作品をシェア

pagetop