地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐


片手を俺の腰に回す。




「…咲さんのこと好きなのに妬いちゃった。」

「……………。」

「…めんどくさい女でごめんね?」



回した手に力が入った。




「……咲姉は“好き”なんだ…?

じゃあ俺のことは?」


もう一度耳元で囁く。


「……………大好き」



胸に顔を埋めているため、俺は杏の耳しか見えない。

だが……耳まで真っ赤に染まっていた。



可愛すぎるんですが。


テーマ設定のために咲姉と手繋いだのに、姉に妬くとはな…?


本当に…チワワだ。




絡めた手を強めに握った。



「……杏だけだから。こんなことすんのは。」

「…………うん。」


ぎゅーっと抱き着いてくる。
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