地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐


連絡は入れてあるんだけど。



あ…シュークリーム作らなきゃ。

藍鬼と約束したもんね。

材料買って家に帰ろうかな。




「…俺の話忘れてない?」

「あっ!…すみません。忘れてました。」

「ご飯ダメ?」

「はい。」



ハァ………と大きなため息をつく及川さん。



「…出来れば、お持ち帰りしたかったんだけど。」

「お寿司食べたかったんですか?」

「………“お持ち帰り”ね。」



お寿司ってお持ち帰り出来るから、良いね!


(↑・・・・・・・。)



「まぁ…まだ脈はあるよね」


………脈?

不思議になり、自分の手首を指で押さえた。


おっ…ちゃんと打ってる。
打ってなかったら、死んでるんだけどね!



「そっちじゃない……」


及川さんがあたしを見て、呟いた。
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