地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐
またお弁当に視線を戻し、食べるが……。
「―…俺の言うことが聞けないわけ?」
ゾクッ!
背中に冷気を感じる。
ギッギギ……と振り返ると…
悪魔がいらっしゃってました。
怖いってば!!
そろり…と陸から離れる。
「お弁当なら、家(滝本家)で作った方が良いんじゃ…」
「杏が作ったのじゃないと、意味ねぇの」
「作るの…めんどくさいんだもん」
「……藍鬼には、シュークリーム作ったのに?」
「・・・・・・。」
「俺には、なんもなし?」
「…………。」
「あーぁ…シュークリーム食いたかったなぁ…」
「……甘いの嫌いでしょ?」
「…杏が作るなら、食べる」
……ハァ……。もういいや。お弁当1個も2個も変わらないはず。
「…わかった。作って来ますよ」