地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐



腕の中なら、あったかそうだなぁ…。


「うん………。」


寒さに負けて、手を伸ばした。



子供のように脇から抱え上げられて、陸の足の上に横向きで座らせられる。




「返信来たら起こすから、それまでは寝とけ」


優しく頭を撫でられた。

耳元で陸の心音が規則正しく聞こえ、安心する。



「…どっか行ったりしない?」


ブレザーの裾を握り締めて聞いた。


「どこにも行かねぇから
ゆっくり寝とけ」


クスッと微笑んで、キスをする。



「じゃあ………寝る……」

「はいはい………どうぞお姫様」


笑って頭を撫でてくれた。

陸の匂いと、体温が心地良くて
すぐに深い眠りに落ちた。
< 475 / 698 >

この作品をシェア

pagetop