地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐
腕の中なら、あったかそうだなぁ…。
「うん………。」
寒さに負けて、手を伸ばした。
子供のように脇から抱え上げられて、陸の足の上に横向きで座らせられる。
「返信来たら起こすから、それまでは寝とけ」
優しく頭を撫でられた。
耳元で陸の心音が規則正しく聞こえ、安心する。
「…どっか行ったりしない?」
ブレザーの裾を握り締めて聞いた。
「どこにも行かねぇから
ゆっくり寝とけ」
クスッと微笑んで、キスをする。
「じゃあ………寝る……」
「はいはい………どうぞお姫様」
笑って頭を撫でてくれた。
陸の匂いと、体温が心地良くて
すぐに深い眠りに落ちた。