地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐
――陸Side――
相当眠たかったのか…ものの5分で寝た。
杏の頭を撫でてやる。
すると、嬉しそうに顔に笑みが宿った。
キャスター付きの椅子を動かし、自分の鞄から細長い箱を取り出す。
パカッと開けると、中には杏へのプレゼント…。
起こさないよう慎重に、首につけた。
「うん。やっぱり杏には、コレで正解」
首元で光るモノに満足する。
「学園でも、仕事でも、狙われ易いんだからな」
ピンク色の柔らかい頬をプニプニと触った。
依然……俺のブレザーは握ったまま…。
「……愛してるよ、杏樹?」
杏からの返事はないけど…、
わずかに笑ってくれた気がした。