地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐



特注で作らせたから、一点モノ。

シルバーの羽根の中に、赤いオパールを細かくしてちりばめてある。


散々色に迷ったけど、黒髪で色白の杏には赤だと思った。



「世界に1個しかねぇから、絶対になくすなよ?」


耳元で言うと……

「うん…」と返事をして、俺に近づいて来た。


コツン…と額をくっつける。


「……陸」

「ん?」

「………ありがとう」

「どういたしまして?」


真っ赤に顔を染めてお礼を言い…満面の笑みを零した。


「陸大好きっ……」

両手を伸ばして胸に飛び込んで来る。


「ん。知ってる。」

背中に手を回して、抱きしめ返した。




杏は俺だけのモノ。

誰にも渡さない。

白い肌も、サラサラの黒髪も、甘く鳴く声も、全て一生俺だけのモノ。
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