地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐
杏を見ると、欲しくて欲しくて…止まらなくなる。
俺だけの可愛い可愛いお姫様。
優しくて温かく、誰よりも強い。
だが…本当は、淋しがり屋で泣き虫…そして誰よりもずっと脆い。
杏に対する俺の気持ちは、一生変わらない。
初めて本気で“愛しい”と思ったから…。
『別れて』と言われようが、絶対に離してやんない。
そういうことは、多分一生無いけどな?
たっぷりと、甘い刺激を体中に与えて…お互いに愛し合った。
杏が意識を飛ばす直前…耳元で、
『杏樹……愛してる』
と甘く囁く。
口パクだけど、満面の笑みで『あたしもだよ』と返してくれた。
そしてこれが、杏と過ごす最後の甘い時間になるとは、俺達二人とも全く考えてもいなかった。
……ごめんな……杏。