地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐
携帯を見ると、時刻は5時過ぎ…
まだ学園にいるよな…?
履歴から杏の番号を出して、電話をかけようとした時だった。
『あの……すみません』
背後から、女の声…。
振り向くと、全身黒ずくめの服を着て、顔に黒いベールを巻いている女がいた。
歳は……結構若いと思う。
勘だけど…(笑)
「はい、なんでしょうか?」
ニッコリと微笑んで返した。
『滝本陸さんですよね?』
「はい……そうですが、何か?」
なんで俺の名前知ってんの?
この女は初対面なはず…。
コイツ誰?
『そうですか……なら。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜』
口の中で、何かを唱えている。