地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐
完璧……泣いてました。って顔じゃない……
「授業始まってるよ?」
「あ〜…寝てて忘れてたよ」
ペロっと舌を出して笑う。
だけど……ムリして笑ってるのがバレバレだよ。
杏樹の隣に座る。
「………何かあった?」
「ううん。何もないよ?」
ニコッと笑みを浮かべた。
「じゃあ……その目と鼻と頬は何?」
「え゛っ…充血してる!?」
「……誰も充血してるとか、言ってないけど?」
「おわっ………!?」
目を見開く杏樹。
引っ掛かったわね………(笑)
私の罠に……。
頭いいのに、コロッと騙され易いんだから……。
差し出したハンカチを受け取り、涙を拭く。
「………フラれちゃった」