地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐
幼い頃から、何度も言い聞かせてきた。
杏樹が弱くなる度に…。
またこれを言うなんて……
思ってもいなかったよ。
もう言うことはないと…思っていたのに……!
彼……滝本君が現れてから―…
私じゃ、どうしても出来ないことを、彼なら出来るの…。
二人が付き合ったと聞いた時…
『もう大丈夫だ』と思えたのに。
なんで…杏樹を泣かせるようなことをするのよっ!
怒りが沸々と沸き上がってくる。
「……本気で切り落とすわよ」
杏樹を抱きしめて、拳を握り締めた。