地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐


私の問い掛けに、冷たい言葉が返って来た。



「…元々興味あったのは、アイツのカラダと、“力”だし。
けど、バケモノだもんなぁ〜。俺が怪我すればすぐに治すし…」




“バケモノ”


はっきりと、聞こえた。



「杏樹の力が強いから、別れたってこと…?」


「そーいうこと。…あんな綺麗な皮を被ったバケモノと、付き合えるかっつーの(笑)」


“人間と恋愛してーからな…!”

小さく続けた。




………なんでこんな男に、杏樹を任せたんだろう?


本当に、最低な人だ。


悲惨な幼少期を過ごして来たから、杏樹のことを理解してくれる人が絶対に現れて欲しかった。



女の子でも、男の子でも。
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