地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐
「…また笑えなくなるのかな」
幼い頃に戻ったみたいに…笑っても、本来の笑顔じゃなくて
張り付けたような…人形みたいな笑顔に……
「…私が頑張らなきゃ。杏樹から笑顔はなくさない。」
廊下で一人…拳を握り締めた。
なのに…………
どうして………?
あの子が、何かしましたか?
何もしていないでしょう…?
優しずぎて弱い…あの子に、なぜ哀しいことばかり与えるのですか?
あの子から……もう何も奪わないで下さい。
あの優しい…日だまりのような柔らかい笑顔を奪わないで下さい。
ただ普通の幸せな生活を送って欲しかったのに…
神様は……とても意地悪でした。