地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐



放課後――




いつもなら、すぐに教室は空っぽになる



しかし


文化祭まであと二週間




放課後も準備時間となり、多くの生徒が作業をしている。





「杏樹は、何色のチャイナドレス?」



メニュー表を作りながら、柚莉が聞いて来た。




「ん―?
あたし、チャイナドレス着ないよ?」



手を動かしつつ答える。



「えっ…着ないの!?」

驚いた声を上げた。


「うん。一日中調理組だしね!」




クラスで、女子はウエイトレス組と調理組に分かれてる。



柚莉はもちろんウエイトレス組。


可愛いチャイナドレスを着て、客寄せをしてもらわないと!




「…だけど、調理組の人だってチャイナドレス着るじゃん!」



「……あれは、男子ウケを狙ってるからでしょ?」
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