地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐
1番忘れてはいけないことだと、本能で思う。
だが…考えようとすると、頭痛が止まらなくなるんだよな…
「陸ぅ〜ご飯食べに行こっ?」
「あぁ……」
私服に着替えて…スタジオをマリナと出る。
長い廊下を歩き、階段を降りようと足を掛けた時だった。
『まだ…あの女のことを覚えてるの?』
ふと、聞き覚えのある声が聞こえた。
『………あの女なんて……もっと苦しめば良いの……“マリナ”に歯向かったんだから』
「は………?」
後ろから黒い靄(もや)を感じて…振り返る。
ドンッ………!
「えっ!?」
グラリと体が傾いた。
支えを無くし、下へ真っ逆さまに落ちる。
ドサッ………
頭を打ち、意識を失った。