地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐



活けた花瓶を窓際に置いた瞬間に聞こえた陸の問い掛け…。




「はっ……!?」

「だから…杏って誰だよ?」


咲さんが固まった。

あたしは目を見開いたまま陸を見つめる。


「……本気で言ってるの?」

「嘘つく理由が何処にあんだよ…」


な?…とマリナの方を見た。



咲さんが、ぐいっとあたしの手を引き、陸の目の前に連れて来る。


「じゃあ、この子は誰?」

「はぁ〜?…知らねぇーし…誰だよこの女…」



ギロリと睨まれて一瞥された。


「さっきから俺の病室にいやがって…知らねぇ奴が入ってくんじゃねぇよ。この地味女っ」




陸の言葉に咲さんと二人で目を見開く。




「早くこっから出てけよ。ブスっ!!」
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