地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐

――柚莉Side――


バタンッ……!!


すぐ後ろから大きな音が聞こえた。



「えっ……?」


振り返ると…………



杏樹が床に倒れていた。




「杏樹っ…!?」



教科書類を床に落とし、杏樹に駆け寄る。



「杏樹っ?…杏樹っ!?」


体を揺さぶるが、びくともしない。



「えっ…神崎さん?」

「姫っ…!!」

「大丈夫か!?」


教室の中から、多くの生徒が出て来る。


杏樹の周りにはたくさんの人が、取り囲んだ。




「杏樹っ…杏樹!!」


意識を失っているのか、目を開けてくれない。

浅くて速い呼吸を繰り返していた。



「先生呼んでっ…!」

「保健室にっ…!」



あちこちから声が上がる。
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