地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐
――陸Side――


保健室の扉を開ける。


「居ないのかよ……」


運悪く、養護教諭は不在。



扉を締めると、無意識に鍵を掛けた。



「あれ………なんで鍵……」


自分の行動に驚く。


まぁ…良いか。と考え、そのままにした。



彼女を抱えたまま、ソファーに座る。



浅くて速い呼吸を繰り返していた。


無意識にネクタイを緩めてやる。


「…なんか俺、慣れてねぇか?」



先程からの自分の行動に、不思議と不自然さを感じない。


「前にもしたことある…?」


腕の中の彼女を見た。



神崎杏樹……多分…杏ちゃんと呼ばれてる子。


てことは……病室にいたあの女?


違い過ぎるだろっ…!
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